強迫性障害は臨床的に、強迫神経症とも言われていることが多いです。
強迫神経症の種類
・不安神経症
・心気(神経)症
・神経衰弱
・ヒステリー
・抑うつ神経症
・強迫神経症
・恐怖症
・離人神経症
など病型区分が一般的である。
強迫性障害は大きく分けて強迫観念、強迫行為の二つのパターンに分かれており、二つ併用し発症するケースもあります。
強迫観念について
<強迫観念の定義>
・繰り返される持続的な思考、衝動。またはイメージでそれは障害中の一時期には侵入的で不適切なものとして体験されており、強い不安や苦痛の原因となる
・その人は、その思考、衝動。 またはイメージを無視したり抑え込もうとしたり、または何か他の思考や行動によって中和しようと試みる
なんか言い回しが難しいですね・・・。
わかりやすくすると、
そのことしか考えきれなくて考えてるうちに不安になったりする状態。
本人はわかっているけど考えずにはいられず紛らわそうとしてもできない状態。
苦しいですよね・・・。
強迫行為について
<強迫行為の定義>
・繰り返しの行動
手を洗う
順番に並べる
確認するなど
・心の中の行為
祈る
数える
声を出さずに言葉を繰り返す
などその人は強迫観念に対応して、または厳密に適用しなくてはいけないある決まりに従ってそれらの行為を行うよう駆り立てられているように感じている
・その行動や心の中の行為は、不安または苦痛を避けるかまたは緩和すること、または何か恐ろしい出来事や状況を避けることを目的としている。
しかし、その行動または心の中の行為は、それによって中和したり予防したりしようとしていることとは現実的な意味ではつながりをもたず, または明らかに過剰である
・・・ん〜。だから言い回しが難しいんだって笑
わかりやすくいうと
強迫的な行動が本人では抑制できず、その行動をしないと不安で恐怖に陥る状態。
その行動をしても意味がないと分かっているがやることにより気持ちが楽になる。
しかし、直接的な問題解決とはなっていない。
また病的である。
こんな感じかな。
・強迫観念または強迫行為は時間を浪費させる ( 1 日 1時間以上かける)。
または私生活を過ごしている中でこれが原因で支障をきたしている。
・医学的疾患の直接的な症状によるものではない。
・他の精神疾患の症状ではうまく説明できない.
治療について
<抗うつ薬の使用>
・三環系抗うつ薬を用いた薬物療法
・クロミプラミン
・SSRI
・フルボキサミン
などを中心とした薬物療法
・自己洞察や不安の軽減を目的とした精神療法
・人格の成長を促すための作業療法
・環境療法
・森田療法などの行動療法など
強迫観念や強迫行為は、いずれも過度の不安に対処するための手段であり、確認行為を安易に制止することは、患者の不安をさらに高めてしまい逆効果である。
まずは、対象者と一対一の関係を通して、安心できる関係を築くことが大事です。
関係を築いていくことにより患者の不安を軽減することができ、もし患者が困ったときなどには、いつでも話せるような窓口を決め、一貫した対応を心掛ける。
一貫した対応がまちまちだと、患者は混乱しやすいので、対応を統一しておくことも必要です。
確認行為に対しては、患者の言葉をよく聴く姿勢を示し、 患者が納得できるよう自信をもって簡潔に返答をしていくことが大切です。
また強迫行為の意味や、強迫行為に隠された不安を、患者の立場に立って理解していく姿勢も大切です。
健康的な日常生活の中で自尊感情を高めるための援助
強迫性障害の患者の心には劣等感や自信のなさが潜んでいることが多いです。
その劣等感や自信のなさがまたさらに強迫感情へと繋がっていくと考えます。
援助の仕方としては自尊感情を高められるようしていくことが大切です。
対象者は強迫行為により日常生活の大半を確認行為に割いているので、少しずつでもいいので健康的な生活を取り入れられるように援助し、自尊感情を高められるよう援助していきます。
また対象者が生活を楽しみ、これまで強迫行為によって狭められてきた生活を豊かにする機会を提供していく。
強迫行為によって低下しているセルフケアへの援助
強迫障害を患っている方は強迫行為のために、セルフケアの時間がなく、セルフケアレベルが低下していることが多いです。
セルフケア行動を観察することにより、病状の把握やセルフケアの援助方法を決定していく必要があります。
単に対象者の強迫行為を制止するのではなく、患者自身が強迫行為によって感じている苦痛を受け止め, 一緒に目標を設定していく必要があります。
過去の思いにとらわれ続けていることもあるので、 合理的な考え方や対処方法を説明し、認知を修正したり、多様な行動パターンを身につけられるよう援助をすることも有効です。
患者の様子を見守りながら患者が強迫行為を自分から打ち切れるように安心感を与える声かけの工夫も必要です